015.なぜ今、あえて「紙」なのか。15年間選ばれ続ける採用誌の秘密

Web全盛の時代に、あえて「紙」を選び続ける理由があります。

私たちが15年以上発行し続けている新卒保育学生向けフリーペーパー「ココキャリノート」。デジタル化が進む今もアナログにこだわるのは、手に取り、ページをめくり、質感とともに情報を得る体験に、保育という温かみのある業界だからこその価値があると考えているからです。

この冊子の最大のコンセプトは、園の募集要項を並べるのではなく、現場で働く「人(保育士)」にスポットライトを当てることです。プロのカメラマンが本格的な機材を持ち込み、先生一人ひとりの輝く表情をクローズアップします。

給与や勤務条件といった数字では見えてこない、園ごとの考え方や想いをストーリーとして届けたい。それがこの冊子の核心です。

特に人気の企画「先生、母校に帰る」では、卒業生が養成校を訪ねることで、恩師や後輩との新たなつながりも生まれています。

保育現場のネガティブな情報が溢れる今だからこそ、前向きに誇りを持って働く先生たちのリアルな姿を届けることに意味があります。

学生の夢を後押しし、ミスマッチのない採用につなげる。
そのための戦略と制作の裏側を、今回お伝えします。

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014.「条件」では人は動かない。採用パンフレットを“絵本”にした理由

採用パンフレットを、全編イラストの「絵本」にしたら、どうなるか。

タイトルは『なんで雨の日は虹がないの』。私がプロデュースした、少し変わったパンフレットです。

一般的な採用ガイドといえば、表紙に園の建物、ページをめくれば沿革と役職者の写真。多くの学生がそのまま棚に戻してしまうのが現実です。そこで、園の想いを「物語」として届けることにこだわりました。

このパンフレットでは、理事長はあくまで「作者」として最後に一歩引いた形で登場します。主役は、そこで過ごす子どもたちと、日々奮闘する先生たちです。福利厚生を羅列するのではなく、職員へのインタビューを通じて、どんな想いで働き、どんな研修で何を学んだのかを一つのストーリーに仕立てています。

こうした冊子は採用だけでなく、保護者や地域の方々に園のこだわりを伝えるツールにもなります。人は「物語」に触れたとき、初めて心が動きます。単なる人手不足の解消を超えて、園の志を地域全体に届けていく。そんな採用戦略の新しい可能性をお伝えします。

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013.「優しければいい」は大きな誤解。不適切保育の背景にある構造問題とは

「保育士さんは優しそう」。そんなイメージを持たれがちですが、「優しい」という言葉の裏には、非常に高度な専門性が隠されています。

ニュースで取り沙汰される不適切保育や虐待の問題。現場の忙しさやストレスが背景にあるとも言われますが、あえて厳しく言わせてください。どんなに忙しくても、感情をコントロールし、子どもの変化を繊細に捉えながら発達を支えるのが専門家としての本来の姿です。感情に任せた行為は、専門職としての適性に欠けると言わざるを得ません。

しかし、その背景には深刻な人手不足という構造的な課題があります。現場の違和感に気づいていても「今この人に抜けられると困る」と見て見ぬふりをせざるを得なかったり、資格さえあれば誰でも採用しなければならなかったりする現実があるのです。

この状況を変えるには、資格の有無にとらわれず、保育のセンスや志を持つ人を迎え入れ、園全体でプロに育てていく仕組みが必要です。助成金を活用しながら働きながら資格取得を目指せる環境を整えることで、園側の負担を抑えつつ質の高い人材を育成できます。

単なる人手確保ではなく、プロとしての誇りを持った人材をどう増やすか。そのヒントをお伝えします。

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012.卒業生が半減…「実習採用」だけでは限界?これからの園に必要な“育成型採用”とは

保育業界の採用に、大きな地殻変動が起きています。

これまでの主流は、養成校からの新卒採用でした。実習を通じてお互いの相性を見極め、そのまま就職につなげるルートは、コストを抑えつつミスマッチも防げる理想的な形でした。しかし今、その前提が崩れつつあります。

少子化の影響で、保育士を育てる短期大学や女子大の募集停止・共学化が全国で相次いでいます。ピーク時に4万人を超えていた卒業生数は今や2万人台まで減少し、定員割れによる学生の質的な変化に悩む現場の声も増えています。

「待っていれば実習生が来る」時代は終わりました。

そこで今、注目したいのが「国家試験ルート」の強化です。現場で働く無資格の保育補助の方々が、働きながら資格を取得できるよう園がサポートする仕組みです。「学校を出ていないとプロじゃない」という固定観念を捨て、子育て経験者など多様な人材を迎え入れ、園全体でプロを育てていく。この「育成型採用」へのシフトこそが、深刻な人手不足を乗り越える鍵です。

今回は、採用の構造変化と、これからの園に求められる具体的な戦略をお伝えします。

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